
離婚届の証人を頼みたい相手が外国人の場合、「外国籍でも証人になれるのか」「本籍がない場合はどこに何を書くのか」と迷う方がいます。自治体の公式案内では、要件を満たす外国人が婚姻届や離婚届の証人になることは可能とされています。外国籍の証人の場合は、日本人とは証人欄の記入方法が一部異なり、本籍欄には国籍を記載する案内がされています。この記事では、協議離婚における外国人証人の条件と、氏名・住所・生年月日・本籍欄の記入方法、提出前の注意点を解説します。
離婚届の証人は外国人でもなれる
協議離婚の離婚届では、外国人であることだけを理由に証人になれないわけではありません。
広島市は、婚姻届・離婚届の証人について、当事者に婚姻または離婚の意思があることを知っている当事者以外の成年者2名であればよく、外国人も可能と案内しています。
さいたま市も、婚姻届・離婚届等には成年の証人2人が必要であり、外国人でも証人になれると明記しています。
- 協議離婚であること
- 成年に達した証人を2名用意すること
- 離婚する当事者以外の人であること
- 当事者双方に離婚の意思があることを知っている人に依頼すること
- 外国人の場合、本籍欄には国籍を記入する案内がある
- 具体的な記入方法は提出先自治体の最新案内を確認すること
ただし、自治体によって外国人証人についての案内表現が異なる場合があります。証人が日本国外に居住している場合など、通常とは異なる事情があるときは、提出先の市区町村に事前確認するのが確実です。
証人が必要なのは協議離婚
離婚届では、すべての離婚に証人が必要なわけではありません。
法務省は、協議離婚の場合には成年の証人2名の署名が必要と案内しています。一方、裁判所が関与して成立する離婚では扱いが異なります。
| 離婚の種類 | 証人 |
|---|---|
| 協議離婚 | 成年の証人2名の署名が必要 |
| 調停離婚 | 証人不要 |
| 審判離婚 | 証人不要 |
| 和解離婚 | 証人不要 |
| 請求の認諾による離婚 | 証人不要 |
| 判決離婚 | 証人不要 |
したがって、「外国人の証人を探さなければならない」という話になるのは、基本的に夫婦の合意によって成立させる協議離婚の場合です。
すでに家庭裁判所で調停が成立しているケースなどでは、協議離婚と同じように証人2名を用意する必要はありません。
外国人が証人になるための条件
成年に達していること
離婚届の証人には成年者が必要です。外国人だから特別に証人資格が与えられるのではなく、証人として必要な要件を満たしていることが前提です。
外国人証人の年齢や成年性について個別に判断に迷う事情がある場合は、提出先自治体に確認してください。
離婚する夫婦本人ではないこと
離婚する夫または妻自身が、証人の一人を兼ねるものではありません。証人は当事者以外の人に依頼します。
当事者に離婚意思があることを知っていること
証人は単に空欄を埋めるための名前貸しではありません。
広島市は、婚姻・離婚の証人について、当事者に婚姻または離婚の意思があることを知っている方と説明しています。
一方の配偶者が離婚に同意していないのに、合意があるものとして証人署名を依頼することは避けなければなりません。
2人必要
協議離婚では証人が2名必要です。
「日本人1名+外国人1名」「外国人2名」などについても、各証人が必要な要件を満たすことが前提になります。具体的事情について不安があれば提出先へ確認してください。
外国籍の証人欄の書き方
外国籍の証人は、日本人証人と基本的に同じ証人欄を使用します。ただし、本籍欄など一部の記載方法が異なります。
さいたま市は、外国人の証人について、住所は住民登録をしているところ、本籍欄には国籍名、署名には本国の氏名を記載し、生年月日は西暦で記入すると案内しています。
| 項目 | 外国籍の証人の記入ポイント |
|---|---|
| 署名 | 証人本人が署名。自治体の案内に従い本国の氏名等を記載 |
| 生年月日 | 自治体によって西暦での記載を案内している例がある |
| 住所 | 住民登録している住所を記載する案内が一般的 |
| 本籍 | 外国人の場合は国籍名を記載する案内がある |
| 押印 | 現在の戸籍届書では押印は任意 |
署名
証人欄の署名は証人本人が行います。
さいたま市は外国人証人について「本国の氏名」を記入するよう案内しています。また、武蔵野市では漢字、カタカナ、アルファベットのブロック体による記入について案内しています。
氏名の表記方法に迷う場合は、提出先の市区町村に確認しましょう。
生年月日
外国人証人について、さいたま市では生年月日を西暦で記入するよう案内しています。
届書や自治体の記載例を見ながら、年月日の順序や表記を間違えないようにしてください。
住所
さいたま市は、外国人証人の住所について住民登録をしているところを記載するよう案内しています。
普段使用している住所表記と住民登録上の表記が違う場合がありますので、証人本人に確認して記載してもらうのが安全です。
本籍欄には国籍を書く
外国籍の方には、日本人と同じ意味での日本の「本籍」がありません。
そのため、外国人が証人になる場合、本籍欄には国籍を記載するよう案内している自治体があります。
広島市は「本籍(外国人の方は国籍)」と案内し、さいたま市も本籍欄に国籍名を記入するよう案内しています。
外国籍の証人について、日本人の本籍地を推測して記入したり、日本での住所を本籍欄にも重ねて書いたりしないようにしましょう。外国人証人の場合は、提出先の記載例に従って国籍を記入します。
日本国外に住む外国人へ頼む場合
外国人証人についての自治体案内は完全に同一ではありません。
広島市は外国人も証人になれると案内しています。一方、神戸市のFAQでは「日本国内に住民登録のある外国人も可」と案内しています。
そのため、海外在住で日本に住民登録のない外国人へ証人を依頼したい場合は、「外国人なら誰でも全国一律に問題ない」と判断せず、離婚届を提出する市区町村へ事前に確認してください。
特に、住所欄をどのように記載するか、氏名をどの文字で表記するかなどについて、個別の確認が必要になることがあります。
- その証人を提出先自治体が証人として取り扱えるか
- 海外住所の記載方法
- 氏名の表記方法
- 生年月日の書き方
- 本籍欄に記載する国籍名の表記
- 追加資料の確認が必要か
外国人証人で間違えやすいポイント
本籍欄に日本の住所を書いてしまう
外国人証人の場合、本籍欄には国籍を記入する案内があります。
住所欄と本籍欄を同じ内容で埋めないよう注意してください。
国籍名を自己流で省略する
国籍の書き方について迷う場合は、自治体へ確認しましょう。届書は公的な書類ですので、「だいたい分かればよい」と自己流で記入するより、提出先の指示に合わせる方が安全です。
証人本人ではなく当事者が署名する
外国語の氏名を書くことが難しいからといって、離婚する夫婦が証人の名前を代筆して署名欄を完成させることは避けてください。
証人署名は証人本人に行ってもらいます。
外国人が当事者の場合の必要書類と混同する
「外国人が証人になる場合」と「離婚する夫または妻が外国人の場合」は別の問題です。
離婚当事者が外国籍の場合は、国籍や婚姻状況などによって必要書類や確認事項が増える場合があります。
一方、この記事で説明しているのは、離婚する夫婦とは別の第三者である「証人」が外国人であるケースです。
外国人が「証人」の場合と「離婚当事者」の場合は別
| ケース | 主な確認事項 |
|---|---|
| 証人だけが外国人 | 証人資格、氏名・住所・生年月日・国籍の記載方法 |
| 夫または妻が外国人 | 国籍、適用法、必要書類、外国側の手続等について個別確認が必要になる場合がある |
| 外国人夫婦が日本で離婚 | 本国法や在留状況等も関係するため、自治体・大使館等への確認が重要 |
「外国人が関係する離婚届」というだけで一つにまとめて考えると、必要な手続きを取り違える可能性があります。
外国人が単に証人になるだけであれば、まず証人欄の記載方法を確認します。夫婦の一方または双方が外国人である場合は、それとは別に当事者として必要な書類等を提出先自治体へ確認してください。
証人を頼めない場合の証人代行
離婚届の証人は、必ず親や兄弟姉妹に頼まなければならないものではありません。しかし、離婚について周囲に知られたくない、友人に頼みにくい、外国人の知人へ説明するのが難しいなどの事情から、証人2名を確保できない場合があります。
当サイトでは、夫婦双方に協議離婚の意思があることを前提として、離婚届の証人代行を行っています。
届書作成サポートを追加する場合は、証人1名の場合4,430円、証人2名の場合6,430円です。
証人代行は、夫婦双方が協議離婚に合意していることを前提としています。一方の意思に反して離婚届を提出すること、署名を偽造すること、虚偽の内容で届出をすることを支援するサービスではありません。
また、最終的な離婚届の受理について判断するのは提出先の市区町村です。当サイトが受理そのものを保証するものではありません。
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離婚届の外国人証人についてよくある質問
Q離婚届の証人は外国人でも大丈夫ですか?
はい。複数の自治体が、要件を満たす外国人も婚姻届・離婚届の証人になれると案内しています。個別事情がある場合は提出先へ確認してください。
Q外国人の証人は何人必要ですか?
協議離婚では証人が合計2名必要です。外国人証人だから必要人数が増えるわけではありません。
Q日本人1人と外国人1人でもいいですか?
それぞれが証人としての要件を満たすことが前提です。記入方法などに不安がある場合は提出先自治体へ確認してください。
Q外国人の本籍欄には何を書きますか?
外国人証人について、本籍欄には国籍名を記載するよう案内している自治体があります。提出先の記載例も確認してください。
Q外国人証人の生年月日は西暦でいいですか?
さいたま市は外国人証人の生年月日を西暦で記入するよう案内しています。提出先自治体の案内に従うと確実です。
Q外国人証人の名前はカタカナですか?アルファベットですか?
自治体によって具体的な案内があります。さいたま市は本国の氏名、武蔵野市は漢字・カタカナ・アルファベットのブロック体について案内しています。提出先に合わせて記入してください。
Q海外に住んでいる外国人でも証人になれますか?
自治体によって外国人証人に関する案内表現が異なります。日本に住民登録がない外国人へ依頼する場合は、署名前に提出先自治体へ確認してください。
Q外国人証人の印鑑は必要ですか?
現在の戸籍届書では押印は任意です。証人本人の署名が重要になります。
Q調停離婚でも外国人の証人を2人探す必要がありますか?
必要ありません。成年の証人2名が必要なのは協議離婚です。調停・審判・判決等による離婚では証人欄の記載は不要です。
Q外国人の証人が見つからない場合、日本人に頼んでもいいですか?
証人が外国人でなければならないという決まりではありません。要件を満たす成年者に依頼できます。周囲に依頼しにくい場合は証人代行を利用する方法もあります。
まとめ
協議離婚の離婚届では、要件を満たす外国人も証人になることができます。
外国籍の証人の場合、日本人証人とは一部の記入方法が異なります。特に本籍欄については、国籍を記載するよう案内している自治体があります。
氏名の表記、生年月日、住所などの具体的な書き方については自治体の案内に差がある場合があるため、外国人証人へ署名を依頼する前に、実際に離婚届を提出する市区町村の最新情報を確認すると安心です。
なお、証人2名が必要なのは協議離婚です。調停・審判・判決など裁判所が関与する離婚では証人は必要ありません。
夫婦双方に協議離婚の意思があるものの、周囲に証人を頼みにくい場合には、証人代行サービスを利用する方法もあります。
